アウディB5
10万キロ
メンテナンス 

初代A4であるB5型のアウディ。 国から絶滅危惧種に指定されそうな感じで絶対数が少なくなり、パーツに関しても国内なし又は本国在庫無し、製造中止・・・なんてのも出てきています。純正社外問わず、パーツが残っているうちに10万キロを超えたら一度お金をかけてほしい部分があります。

その一つがハブベアリングです。 強度的には以降のASSYタイプよりも頑丈というか劣化が穏やかなのです。ASSYタイプは急激に劣化するので異音などの症状がはっきりわかるのですが、B5などのナックルに直接圧入されているタイプは大径で重いホイールや負荷のかかる使用をしない限り、急激に症状が現れることはありません。

なので、症状が出ていないうちにと予防的に交換すると想像以上に静かになって感動したりします。



B5クワトロの場合はリアが結構な割合でガタが出ますが、一度も交換していない場合はフロントも含めて全部交換しましょう。異音も「ゴォー」もあれば「ウィーン」というモーターのような音もあります。フロントもリアもプーラー(ハブベアリング用の特殊工具)があれば車載状態で交換可能ですが、


私はナックルを外しての交換をお勧めします。プレスで水平状態でゆっくり抜き、水平状態でじわじわと挿入し、クリアランスを水平で確認するのが理想です。DIYでプーラーで挑戦した方の大半が交換したベアリングを短命で終わらせていますので、DIYではどうしても急いだ仕事になりがちで確実な作業が難しいのです。

12万キロの時点でOHした帝王号の全輪のハブベアリング。異音もガタもなかったが、リアはさすがに引っかかりがあった。


もう一つ。B5のクワトロで10万キロを過ぎた車両でメンテナンスしてほしいのが、リアのデフオイル、マニュアルミッション車(1.8TQ&S4)であればミッションオイルです。

デフは75w90 GL5。。
マニュアルミッションのオイルは
75W90 GL4。
必ずGL4を入れること。
GL5は駄目です。
ダメ。絶対。

GL5を入れてしまったらすぐに抜いて4を入れてください。


アウディの歴代のワーゲン・アウディのマニュアルトランスミッションは非常にシンクロが弱いのです。B5の1.8Tに使われている01Aはとくに弱い気がします。かなり昔ですが、シフトが入りづらくなったゴルフGTIが入庫し、オイルを抜いてみたら金色の金属片が混じった廃油が出てきました。添加剤で誤魔化そうとしましたが気休めにしかなりませんでした。その車には量販店でミッションオイルを交換した履歴(納品請求書)がありました。そこに書かれていは「GL5」。 それから数年経過し、B5のマニュアル車両のミッションオイル交換の依頼。 オイルは持ち込みのGL5。神経質そうなお客さんでしたが、特にシフトが入り辛いとかではなく、前回交換してから10000キロ走ったからという理由でした。 そして抜いたオイルには金色の鉄粉。 前回交換したのはワーゲン・アウディ専門店でしたが銘柄はこれまたGL5。 お客さんと話をしていてわかったのはその専門店で


「どうせ交換するなら良いオイル(GL5)の方がいい」と言われたそう。

それで今回も”良いオイル”であるGL5を入れたくなってヤフオクで買ってきたらしい。当時の私はGL5は駄目だという認識がなかったので、高級なオイルなんだ・・というアホな知識でそのオイルを入れてしまった。それから2年後にその車は完全にミッションがブローした。たまたま、私が中古マフラーを購入したアメリカの知人のそれまた知人がebayで中古の01Aを売っていたので即購入し事なきを得た(なぜか新しいように見えたクラッチが付いていたのでパーツを組み替えた)。 私はそれから金色の鉄粉が大量に出てくるGL5を入れた車両を何台も見てきた。
 

ま、ここで「極圧添加剤が・・・」「酸化を促進させ・・・」とかは説明しません。詳しく知りたい方は「GL5 シンクロ」などでググってみてください。

とにかく、金色の鉄粉の正体は真鍮であり、これがGL5を入れた車に限って大量に出てくるのは間違いない。


指定がGL4のミッションにGL5はダメです。わからない場合はアマゾンでこれを買いましょう。




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